BlogとNotes/Dominoの共通点?
WikiとかBlogとかが最近非常に盛んになってきています。
ちょっと、昔なら、BBSやNiftyなどで、議論が交わされたり、メーリングリストなどで、社内以外との情報交換が行われていたことでしょう。
しかし、今では、こういうものではなく、Wikiによる共同執筆や、Blogによる情報発信というのがさんかんに、行われるようになってきました。
ソフトバンク パブリッシング株式会社 の発行する IT Infra Weekly 「[IT Infra Weekly 2005.05.27]ブログ・SNSの参加者、2007年に約2000万人へ」によると、Blog登録者は340万人近くになり、実際に活動しているのが約1/3といわれています。
単に見るだけの読者も160万人を超えたという報告です。
今後2007年の予想として、利用者 780万人程度、活動しているBlog 300万人程度、読者 3500万人程度という調査結果になっているようです。
参照:総務省調査報告
実際、このサイトを作成させていただいたAmeba Blogさんは、2005/05/26 現在、約25万人のBlogが登録されています。
この事実は、Ameba BlogさんのBlogでランキング表示を行っているBlogを参照することで確認ができます。
この25万人の世界に、新しくBlogを作成し、何も記事を記述しないで、ランキングには参加して、翌日まで待ってみてください。
きっと、貴方のランキングは8万人前後になっていることでしょう。
これから、判断しても、[IT Infra Weekly 2005.05.27]で、記述されている、1/3のBlogが生きているということが裏づけされるのではないかと思います。
さて、このように活発になるblog、これはかつてのNotes/Dominoの爆発的な利用の広がりにも似ているように思われます。
Notes/DominoはCollaboration Toolとして世に姿を現し、Client/Serverの世界で育ってきました。
ところが、今の世の中は、企業もそうですが、特にコンシューマーの世界ではWebの世界が一般的になっています。
PCを買って自宅で利用するとき、入っているのはWindowsとIE、Outlook Expressです。
メールはOutlook Express、BrowserはIEというのが、一般的な家庭のPCの環境ではないでしょうか?
中にはMacを使ったり、IEをやめて、Firefoxなどを使っておられる方もいらっしゃるでしょうが、今ではまだ、非常に数が少ないのではないかと思います。
一昔前はNetscapeが全盛で、企業でも標準BrowserといえばNetscapeという場合もありましたが、WindowsにIEが搭載されてから、Netscapeは徐々にシェアを下げていってしまいました。
話が少し脱線してしまいましたが、今では一般的にWindowsとIEで使われている方がほとんどだということです。
そのような一般利用者も自分でHome Pageが持ちたいとかと思い、Providerが提供するHPのサービスを受けていたりすることでしょう。
しかし、HPは作るのも大変ですし、作ったとしても、見てもらうだけで交流の場として使われていることは少ないでしょう。
そういうことをされているのは、一部の自分でServerを立てている方たちでしょう。
しかし、一般の人たちは自分でも情報発信したいという思いもあるのです。
Notesを使い始めた人たちがそうであったように、人は自分の存在感を世に示し、自分を主張するのでしょう。
こういった要望を簡単に満たしてくれているのがblogなのではないでしょうか?
ちょっとした設定だけで、簡単に自分のHPのようなものが立てられて、他の人に見てもらえます。また、blogのProviderによっては上位になると報奨金が出たりしますので、個人のモチベーションが上がります。
Notesが世の中(といっても、企業ですが)に広まった時も同じではないでしょうか?
みなさんが持っている情報を発信して社内で認めてもらいたいといった考えがあったのかも知れません。
しかし、Notesを導入した企業の多くでは、この自由な発言に対し価値を見出さず、評価しなかったということがあるのかも知れません。
そういう企業では、Notesの活用が止まってしまっているのかも知れません。
ちょっと違うとは思いますが、blogがNotesの原点を教えてくれるのかも知れません。
Online Chat機能を付加
ここはBlogの研究も兼ねていますので、CGIで作成された無料レンタルのOnline Chat機能を付加してみました。
IBMではLotus Instant Messaging and Web Conferencing (通称 Sametime)がありますが、このCGIのものも簡単なOnline Chatができるようです。
Bookmarkの【Online Chat】からお試しいただくことができます。
このblogに来られた皆様の、Online Communicationの場としてご利用ください。
私がOnlineでおりましたら、話しかけて頂いても結構です。
さあ、始めよう、利用者による開発
「私と Lotus Notesとの出会い」 に書きましたが、私は開発に手をつけることになったのです。
私は、Notesの開発なんて、全くわかるわけありません。
言い訳ではありませんが、その時は営業だったのですから。。。。。
しかし、その頃の私の部門は会社の中では非常に特殊な部門で、業務の処理と言えば例外的な処理ばかりで、会社の標準提供のシステムではほとんど何も出来なかったのです。
そうです。
この頃は、情報システムはダウンサイジング(ホストをやめてしまって、クライアント・サーバー型のPCサーバーから成り立つ環境に移行するという方向)に進むという傾向にありました。
なぜかというと、利用者が業務の処理の変化に対応しようとしても、情報システム部門がついてこれなくなっていた時期なのです。
所謂、開発バックログが残り問題になっていた時期です。
Lotus Notesはそういう時代に、クライアント/サーバー型のシステムとしてRay Ozzieにより、開発されたのです。
時代の流れを上手に読み取って、本当によい時期に投入されたソフトウェアだったのかも知れません。
当時、利用者から求められた情報システムを開発するためには、膨大な労力とコストがかかりました。
それは、COBOLやPL/Iなどといった、情報システム開発者しかわからないような言語に加え、オンラインシステムはそれ専用のサブシステムが動き、利用者に触れるようなものではありませんでした。
そのころ、そういった問題を解決するために、EUC(エンド・ユーザー・コンピュ-ティング)という言葉がもてはやされ、ホスト・コンピューターに蓄積されたデータを加工するための、様々なツールも販売されていました。
しかし、EUD(エンド・ユーザー・デベロップメント)は、この時期では、無理だと思われていたのです。
だが、Lotus Notesは、こんな時期に、情報共有(Collaboration)という世界を提供しただけでなく、利用者による業務システムの開発環境を提供してくれていました。
話は戻りますが、運が悪いことに、私のいた部門は、売り上げも伸びるどころか逆に減少していて、とうとう人員削減という最悪の事態になりつつありました。
「何とか業務を効率化して少ない人数でも現状の業務がちゃんと行えるように考えないといけない」
それだけが私の目標になっていたのです。
そのころの、我々の業務はお客様に機器を納入し、それをお客様のブランドで代理販売してもらうというものでした。所謂OEMと呼ばれるものです。
毎日のようにお客様から技術的な質問が入ってきますし、販売する機器の構成チェックの依頼が入ってきます。
また、マネージャーからは週に1回売り上げ実績や予測のデータ、更に営業や技術の個人の活動報告まで求められます。
どこの企業でも、営業であれば、日報や週報を書かなければならなかったでしょう。
これらを会社の情報システムの仕組みで処理できる訳ではありません。
というのも、汎用機やオフコンの世界で作られた当時のシステムは文字しか扱うことができないため、適切な報告をするためには、報告書を手で書いたり、ワープロで書いたりする必要があるわけです。
こんな内部レポートを毎日/毎週作成しなくてはならないとしたら、それだけで時間は無くなってしまうでしょう。
企業が生きていくためには、業務を効率化して、かつ、お客様の満足度を向上し、企業自らの利益を上げるとともに、お客様も提供するサービスにより、利益を得てもらうことが重要なのです。
「人が減らされた上にレポートなんて不可能だ」と、当時の私は思っていました。
営業だった私は、何とかならないかと毎日のように考えていたのです。
考えている間にも技術の人間、SEが減らされ別の部門に移っていってしまいます。
「このままでは業務が維持できない」
そんな時、私は初めてNotesの価値を知ったのです。
出会ったのは本当はその数ヶ月前くらい前だったでしょう。
部門にサーバーが配布されたという意味では。
しかし、部門内ではNotesは標準のディスカッションテンプレートで幾つかの会議室が運用されているだけでしたし、私もまだNotesのことを研究中でした。
私は初めてNotesのディスカッションテンプレートの設計を見てみたのです。
これは単なるBBS(所謂、電子会議室DB)のような使い方でなく、もっと色々な使い方ができるのではないかと思いました。
それだけの、可能性をNotesに見出したのです。
さて、ここから、私の、開発奮闘記の始まりです。
当時、営業だった私にどこまで、できるのでしょうか?